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インタビュー

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株式会社ヒンメル?コンサルティング代表 気象予報士/気象キャスター
斉田 季実治さん

乗船実習で天気の
重要性を知り
在学中に気象予報士の
資格を取得

幼い頃から父の仕事の都合で転勤が多く、全国各地を転々としていたのですが、北海道は住んだことがなかったので、大学時代は、ぜひ北海道で暮らしてみたいと思い、北大に入学しました。なかでも水産学部を選んだのは、365体育投注_365体育直播-竞猜网投のパンフレットを見た時に「おしょろ丸」という船があることを知り、もともと机に向かって勉強するのは好きな方ではなかったので、実際に船に乗ってフィールドで学べることに魅力を感じたからです。

北海道はもちろん、北大のキャンパスも大きくて自然がいっぱいというイメージを持っていましたが、実際に来てみたら、想像以上で、学生時代はそれを存分に楽しめました。

水産学部では、乗船実習の中で天気の観測などを行ったことで、より天気に興味を持ち、それがその後、気象予報士を目指すきっかけにもなりました。

高校時代からラグビーをしており、大学では、体育会系ではなくサークルのクラブチームに所属していました。強豪チームだったので、もちろんラグビーも真剣にやっていたのですが、夏はキャンプ、冬はスキーと、北海道の自然も満喫できたので、とても充実した時間を過ごせたと思います。

もともと全国各地で暮らしてきたこともあり、子どもの頃から各所の天気の違いには興味があったのですが、北大に来て北海道の自然の中で過ごしたこと、また、乗船実習で天気の重要性を再確認したことで、気象予報士の資格を取ろうと思いました。

大学3年生の時、2回目の受験で合格することができ、気象予報士の資格を携えて、就職活動に臨みました。気象会社やテレビ局を何社か受けて、北海道文化放送(UHB)に就職しました。面接では、天気のことばかり聞かれたので、てっきり気象キャスターになれると思っていたのですが、実際には事業部、その後は報道部に配属されました。

事業部では、天候によってイベントの開催が左右されること、報道部では、自然災害の現地に出向くことなどがあり、いろいろな場面で気象予報士の知識を役立てることはできましたが、その中で、やはりこの資格を第一に生かせる仕事がしたいと改めて思い、30歳になる年、気象会社に転職しました。

翌年には、かつて長く暮らしていた熊本でNHKの気象キャスターを務め、その後、オーディションを受けて上京しました。基本的に今は、NHKの「ニュースウオッチ9」という番組で、平日の夜は気象キャスターを担当しています。

一方、気象情報をどのように生かすか、自然災害からどうやって命を守るかといったことは、テレビの数分ではとても伝えきれないので、執筆や全国各地での講演活動もしています。2018年には、株式会社ヒンメル?コンサルティングを立ち上げ、ますます活動の場を広げているところです。

単に気象情報を
伝えるだけではなく
防災に役立つ情報
として生かしたい

テレビ局の報道部では、災害が起きてから現場へ向かっていましたが、私は、未然に予報を伝えることで災害から命を守る活動がしたいという思いで気象キャスターになったので、単に天気予報を伝えるだけではなく、防災の面でどう伝えていくかを主眼に置いて活動を行っています。そのために防災士や危機管理士の資格を取り、実際にその情報がどう使われているかを学んだりもしています。

他にも資格は取っていて、例えば、その一つがライフセーバーです。溺れている人を救助するイメージが強いと思うのですが、実際に学んでみてわかったのが、救う状況になる前に守ることが大事だということ。どう守るかというと、波の高さや、暑さによる熱中症を防ぐといった気象情報が重要になってきます。災害現場に携わる人たちがどういう情報がほしいかということを学びたいという思いが、こうした資格を取得した理由でもあります。

また、星空案内人という資格は、普段から星空を眺める機会が多い人に、防災の知識を持ってもらいたいと思い、取得したもの。普通の人は日々の暮らしの中で、雨が降るか降らないかを気にするものですが、星を見る人は、曇ると星が見えなくなるので、天気を気にする人が多いんですよ。空を見ることで、ある程度、この後、天気がどう変化するかわかったりもしますから。そんな空に興味がある人たちに防災の知識をより深めていただきたいと考えています。

東京へ移り住んで1年目に東日本大震災が起きました。震災発生後、私は夜通し、翌日の昼まで気象情報を担当していたのですが、正直、どういう情報を伝えたらいいのか迷い、同時に気象キャスターにできることは限られているなと感じました。

その時は、東北地方の気温が下がり、雪が降り始めたんですよね。通常であれば、「暖かくしてお休みください」といったコメントをするのですが、そういう状況ではない方々が大勢いるわけで…。その時の選択としては、できるだけ詳しく現在の気象状況を伝えたり、より細かくこの後の天気の変化を伝えることに注力しました。被災地により詳しい寄り添った気象情報を伝えることが良かったのか、または逆に、普段見ている通常の天気予報を伝えることでホッと日常を感じてもらった方が良かったのか…。未だに正解はわかりませんが、どういう情報を伝えるかということは、常に模索し続けています。

視聴者や著書の読者から「役に立った」「災害の時、こういう情報があったお陰で被害に遭わなくてすんだ」という声が寄せられることが、一番嬉しいですね。

先ほども申しましたが、気象キャスターという立場でできることには限りがあります。単に天気予報を伝えるだけではなく、地震などのあらゆる災害に備え、役立つ情報を伝えられる“防災の人”としての立場を確立していきたいです。

好きなことを
突き詰めれば
おのずとキャリアが
ついてくる

私の場合、他の大学から北大に再受験して入学したので、もちろん大学生活を楽しみたい思いはありましたが、「4年間で何をしようか?」ということは常に考えていました。その中で、気象予報士という資格に出会い、在学中に資格を取得したことは、その後の人生にすごく影響を与えています。そういう意味では、北大は私の人生の原点といえるでしょう。学生時代は、楽しかった反面、学業では厳しかった面も。当時は、英語の統一試験があって、それに合格しないと、専門的な実習?演習を学ぶ函館キャンパスへ行くこともできなかったし。卒論は、担当教官が厳しい方だったこともあり、「就職が決まったから、卒業できると思うなよ」と言われて(笑)、何度も手直しして、苦労しながら書き上げました。やり遂げたことは、いい経験になったなと思いますね。

北大には、私も含め、全国各地からいろいろな人が集まってきます。わざわざ北海道を目指してくる人は、正直、変わった人が多く、彼らとの出会いも楽しかった理由の一つです。

時代と共に変わっていく部分、変わらなければいけない部分もあるとは思いますが、北大には、大学時代に何度も耳にした「Boys be ambitious」という言葉を、後押しするような大学であってほしいなと思います。

大学時代は、人生においても比較的、時間に余裕のある時なので、勉強でもスポーツでも遊びでも、何でも興味があることに時間を使ってほしいですね。興味があるものを突き詰め、突き抜けることができれば、そのキャリアは、おのずとついてくるもの。そんな夢中になれるものを、見つける時間にしてください。

株式会社ヒンメル?コンサルティング代表 気象予報士/気象キャスター 斉田 季実治さん
株式会社ヒンメル?コンサルティング代表
 気象予報士/気象キャスター

斉田 季実治 さん
(2000年 水産学部卒業)
1975年、東京都生まれ。北海道文化放送株式会社(UHB)、日本気象協会九州支社を経て、2006年よりNHK熊本放送局の気象キャスターを務める。2010年に上京。首都圏ニュースや平日の気象情報などを担当し、2016年から「ニュースウオッチ9」に出演中。2018年、株式会社ヒンメル?コンサルティングを設立。著書や講演活動も好評を博すなど多方面で活躍している。