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インタビュー

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信濃川ウォーターシャトル株式会社. 代表取締役社長 栗原 道平さん
(1979年、経済学部卒)

洋弓部の活動に
とことん打ち込み
人とのつながりを学んだ
大学時代

僕の出身高校は新潟の旧制中学で、バンカラな気風があり、担任の先生も寮歌を歌っちゃうような人でした。寮歌といえば、北大が有名でしたから、恵迪寮の「都ぞ弥生」を歌いたいと自然に憧れていました。入学当初は学生運動の名残があり、キャンパス内はビラや看板などで雑然としていたので、それはちょっとがっかりしましたね。

入学後は、洋弓部に所属し、北大に入学したというより洋弓部に入学したというほど、部活動中心の学生生活を送っていました。射場が陸上競技場の脇にありまして、晴れている日は、朝から日が暮れるまで弓を射っているという、今から思えば、まるで貴族のようでしたね。勉強にはあまり熱心ではなく、決して良い学生だったとは言えませんが、その分、部活を通じて、組織運営や、人と人のつながりをどのようにうまく保つかなどを学べました。また、経済学部で学んだことは、まさしく実社会で経験することができたと思います。

卒業後は、東京の総合商社?三井物産に就職しました。三井物産には、海外勤務も含め14年近く勤めました。総合商社に就職した理由は、海外に出てみたかったからなのですが、入社7年目の頃、「パキスタンに転勤だ」といきなり言われまして。個人的にはまったく興味のない国だったので、赴任するか拒否するか、毎日葛藤していましたが、悩んだ末、未知なるパキスタンのカラチという地へ赴任することになりました。ちょうど30歳の時で、今振り返ると、ターニングポイントだったのかもしれません。

故郷?新潟の公共交通の
改善を目指し
信濃川で
水上バス事業を展開

30半ばを過ぎると、故郷?新潟のことが気になり始めまして。親が高齢になり、今後、新潟のマチがどんな風になっていくのかが気がかりだったのです。

そこで退職することを決意し、新潟へUターンすることに。帰ってみると、新潟市は都市の公共交通機関が未整備?未発達の状況であると感じ、地元の青年会議所を通じて問題提起をしました。

札幌の場合は、オリンピックが開催されたことで地下鉄が整備され、都市として基盤整備が非常に進んだということを聞いていたので、新潟でも、小断面の地下鉄を基軸とした公共交通のシステムを整備できないかという提案もしました。

一方、新潟には水量豊富で日本一長い信濃川がマチの真ん中を流れている。せっかくなら、この信濃川を活用し、水上バスを走らせるのがいいんじゃないかと考え、水上バス事業を始めました。

ゼロから水上バス事業を始めるため、設立時から多くの企業、市民のみなさんから公募増資という形で協力を仰ぎ、最終的には株主総数752名から資本金2億2085万円の資金が集まりました。船の建造費は1隻で約1億円。1999年にアナスタシア号、2002年に2号船のべアトリス号を建造し、以後、この2隻で水上バス事業を続けてきました。

この水上バス事業は、正直、順風満帆ではなく、ホントに厳しい局面に何度も遭遇してきましたけど、ここを乗り越えなければ!と今日まで続けてこられたのは、総合商社時代に、生まれては消えていくさまざまな新規事業を見てきたことが参考になったと思います。

乗船いただいたお客様から「楽しかった」「新潟のマチを違う目線で見ることができた」などの感想をもらえる時が、一番嬉しい瞬間ですね。

これまでの仕事で印象に残っていることは、最近、JRさんがテレビCMの撮影でこのウォーターシャトルを使ってくださいまして、誰もが知る有名な大女優さんに乗船いただいたことでしょうか。NGT48のデビューの際には、メンバーがウォーターシャトルに乗ってお披露目の会場に現れるという演出もありました。

水上バスなので、気軽に移動手段としてご利用いただきたいのですが、新潟の場合は、マイカー利用率がとても高いので、残念ながら日常的な移動手段になっていないのが現状です。水上バスはもちろん、路線バス、電車を含めた公共交通機関がもっと便利で使いやすく改善され、“住民の足”として役立つ存在にならなければならないと思います。

また、信濃川ウォーターシャトルの会社組織とは別に、「リバークルーズ愛好会」という任意団体を設立し、気軽に楽しめるクルーズイベントも企画しています。

新潟には、新潟日独協会というドイツ語圏の国々との国際交流を行っている団体があります。その事務局が2013年から、自社の信濃川ウォーターシャトル内に置かれており、私自身も専務理事を務めています。また、2013年に設立された新潟オーストラリア協会では、現在副会長、新潟開港150周年記念事業では実行委員も務めました。

ビッグスケールの
キャンパスで
青春時代を謳歌してほしい

札幌は学生に優しいマチでしたし、特に北大生は市民からリスペクトを受けている存在だったので、そういうありがたい大学の卒業生になれたことは、私にとっても人生において誇るべきものと思っています。札幌を訪れる時には、北大のキャンパスについ足が向きますが、今は本当にきれいになりましたよね。僕らが学生の頃は、泥んこの道でしたが、今は歩道も照明も整備されて、農学部や理学部の建物もきちんと保存されていて。

ちなみに、新潟には「新潟エルム会」という北大の同窓会がありまして、毎年7月の第3土曜日に、このウォーターシャトルの船上で同窓会を開いています。毎年30~40名のOB?OGに集まっていただき、大変感謝しています。

日本の大学は、世界のランキングの中であまりいい成績を残せていないようですが、北大はその中で結構頑張っているんじゃないかと、僕は見ています。これからも日本を代表するような大学になっていただきたいと、卒業生として強く願うところです。

日本の大学の中でも非常に広くて整備されたキャンパスを持っているのが北大だと思います。そんな北大でぜひ青春時代のひとコマを刻んでほしいと、心から願っています。

信濃川ウォーターシャトル株式会社. 代表取締役社長 栗原 道平さん (1979年、経済学部卒)
信濃川ウォーターシャトル株式会社
 代表取締役社長

栗原 道平 さん
(1979年 経済学部卒)
1956年、新潟県生まれ。北海道大学経済学部を卒業後、三井物産株式会社に入社。パキスタン?カラチなど海外勤務も含め約14年勤務した後、故郷?新潟市へUターン。新潟市の象徴である信濃川に水上交通を復活し、新潟を名実共に「水の都」と呼べる街にするため、信濃川ウォーターシャトル株式会社を設立し、水上バス事業を展開している。