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日本で繁殖する主要海鳥種の個体数変化を初めて解明~ウミガラス?エトピリカ? ウミネコ?オオセグロカモメの減少を確認~(地球環境科学研究院 助教 先崎理之)

2019年9月2日

ポイント

●日本で繁殖する海鳥類10種の過去36年間における全国的な個体数変化を初めて解明。
●絶滅危惧種(ウミガラス?エトピリカ)と広域分布種(ウミネコ?オオセグロカモメ)の双方が減少。
●絶滅危惧種だけでなく広域分布種を含めた海鳥保全に関する議論の必要性を示す重要な成果。

概要

北海道大学大学院地球環境科学研究院の先崎理之助教,同水産科学研究院の綿貫 豊教授,山階鳥類研究所の富田直樹研究員らの研究グループは,日本で繁殖する海鳥10種類の過去36年間の個体数変化を解析し,ウミガラスやエトピリカといった絶滅危惧種だけでなく,ウミネコやオオセグロカモメなどの,分布域が広く個体数が多いと思われていた種類も長期的に減少していることを明らかにしました。

世界における海鳥の個体数は長期的に減少しており,全海鳥種の約半数が絶滅の危機に瀕していますが,一方で,日本で繁殖する多くの海鳥種の個体数変化についてはこれまで詳しく調べられてきませんでした。本成果は,日本で繁殖する海鳥類の長期個体数変化を示した初めての研究です。

本研究では,日本全国の海鳥の繁殖記録を集約した環境省の日本海鳥コロニーデータベースと生物の個体数変化を記述する統計モデル(状態空間モデル)を利用して,日本で繁殖する主要海鳥10種類の過去30年間の個体群増加率を調べました。その結果,6種(アホウドリ,コシジロウミツバメ,ヒメウ,ウミウ,ケイマフリ,ウトウ)の個体数は,横ばいか増加していました。一方,2種類の絶滅危惧種(ウミガラス,エトピリカ)と2種類の広域分布種(ウミネコ,オオセグロカモメ)の個体数は,それぞれ65%から97%も減少したと推定されました。分布域が広く個体数が多い種類は,生態系の機能や安定性に与える影響が大きいと考えられています。そのため,これらの結果は,絶滅危惧種だけでなく,広域分布種の保全の在り方を議論する必要性があることを示しています。

なお,本研究成果は,2019年8月28日(水)公開のBird Conservation International誌でオンライン出版されました。

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1980年より大きく減少した4種
(左上:ウミガラス,右上:エトピリカ,左下:ウミネコ,右下:オオセグロカモメ)