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新型コロナウイルスの感染しやすさは年齢によらない~3カ国間比較により死亡や重症が高齢者に偏る現象の仕組みを検証~(人獣共通感染症リサーチセンター 准教授 大森亮介)

2020年10月7日

ポイント

●新型コロナウイルス感染症の重症者及び死亡者は世界共通で高齢者に偏っている。
●感染のしやすさ(感染に対する感受性)は年齢によらないと判明。
●感染成立後の病状の進行の進みやすさが年齢によって異なると判明。治療手法開発の発展に期待。

概要

北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの大森亮介准教授らの研究グループは,新型コロナウイルス感染症における重症者及び死亡者が高齢者に偏る現象について,感染症流行の数理モデルを用い検証しました。

パンデミックとなり世界中で流行が確認されている新型コロナウイルス感染症において,重症者及び死亡者は高齢者に偏る傾向があります。重症者及び死亡者が高齢者に偏るという現象には,2つの説明が考えられます。1つは高齢者が感染しやすいために重症及び死亡が高齢者に偏るという説明です。もう1つは,感染しやすさは年齢によらないが,感染成立後の重症化のしやすさが高齢者ほど高く,重症化及び死亡が起こりやすいという説明です。今回の研究では,これらの説明のうちどちらがもっともらしいかについて,検証しました。

研究グループは,20205月時点で流行規模が大きく異なったイタリア,スペイン,日本の三カ国で比較しても死亡の年齢分布はほぼ変わらないという現象に注目しました。数理モデルを用いた解析では,もし死亡率,もしくは,症状が出る率が年齢とともに変わらず,感染のしやすさが年齢によって異なると仮定すると,イタリア,スペイン,日本の3カ国の流行規模及び死亡の年齢分布を再現するには,感染のしやすさが年齢によって非現実的なまでに大きく異なる必要があることがわかりました。死亡率や症状が出る率といった病状の進行の進みやすさが年齢によって異なる事が,新型コロナウイルス感染症の重症及び死亡は高齢者に偏る傾向の原因であると考えられます。

なお,本研究成果は,2020106日(火)公開のScientific Reports誌にオンライン掲載されました。

詳細はこちら

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新型コロナウイルス感染症の死亡の年齢分布
(a)イタリア,日本,スペインにおける死亡の年齢分布の観察データ
(b)死亡率が年齢によらず一定の場合の,異なる基本再生産数における年齢分布のシミュレーション結果
(c)感染しやすさが年齢によらず一定の場合の,異なる基本再生産数における年齢分布のシミュレーション結果