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ナノ粒子の安定性向上を生体適合性環状高分子で実現~高温?低温?生理条件下でも安定し医療を含む多分野での応用に期待~(工学研究院 准教授 山本拓矢)

2020年12月17日
北海道大学
東京工業大学

ポイント

●生体適合性の環状高分子を混合するだけで簡便に金ナノ粒子の分散安定化に成功。
●現在広く使用されるチオール系高分子の化学吸着よりも手順が簡便かつ優れた安定性を示す。
●動物実験でも効果を示しバイオイメージング素子や腫瘍の光温熱治療への応用に期待。

概要

北海道大学大学院工学研究院の山本拓矢准教授,同総合化学院博士後期課程の王 钰博氏,東京工業大学科学技術創成研究院の三浦 裕准教授らの研究グループは,代表的な生体適合性高分子であるポリエチレングリコール(PEG)を環状化し金ナノ粒子と混合することで表面に強く吸着し,高温?低温?生理条件を含む多様な条件において優れた分散安定性を示す方法を開発しました。

現在,ドラッグデリバリーシステム(DDS)キャリアに代表される様々なナノ粒子系医薬品の研究が進展していますが,それらの多くは生体適合性のPEGによる粒子表面の修飾(PEGylation)を基盤としています。その中で,金属ナノ粒子のPEGylationは,チオールとの化学吸着を利用したものにほぼ限定されています。これに対して,研究グループは構造欠陥のない環状PEGの物理吸着により修飾した金ナノ粒子が,非常に高い分散安定性を示すことを見出しました。さらに,この方法はチオールとの化学吸着よりも分散安定性に優れており,動物実験でも効果を示しました。

環状PEGの物理吸着を用いる本手法は,簡便かつ粒子の材質に関係なく広く適用でき,医療を含む多岐の分野において様々なナノ材料への応用が期待されます。

なお,本研究成果は,20201130日(月)公開のNature Communications誌に掲載されました。

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種々のポリエチレングリコール(PEG)により修飾した金ナノ粒子の加熱実験。環状PEGを使用すると金ナノ粒子が分散安定化され,その特徴である赤色が最も強く残存した。右図では各種PEGを使用した場合の色の濃さを定量的に示した。