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ハスカップの種間雑種を育成し,果実のアトンシアニン類のイメージングに成功~北海道大学の農学?医学?保健科学の専門知識?分析技術を生かした共同研究成果~(北方生物圏フィールド科学センター 教授 星野洋一郎)

2020年12月24日

ポイント

●ハスカップとミヤマウグイスカグラの種間雑種を育成。
●イメージング質量分析法により,果実内のアントシアニンの分布パターンを解析。
●ハスカップをもとにした新たなベリー類の開発に期待。

概要

北海道大学大学院環境科学院博士前期課程(在学時)の藤田凌平氏,同北方生物圏フィールド科学センターの星野洋一郎教授,同大学院医学研究院の早坂孝宏特任助教(現:高等教育推進機構?学術研究員)と神 繁樹博士研究員,同大学院保健科学研究院の惠 淑萍教授による共同研究グループは,ハスカップとミヤマウグイスカグラの種間雑種を育成し,イメージング質量分析法により果実中のアントシアニンの分布パターンを明らかにしました。

ハスカップは,北海道に自生する木本性の植物で,その果実はベリー類として利用されています。星野教授らは,これまでハスカップの遺伝資源の調査と形質改良の研究を進めてきました。本研究では,ハスカップのバリエーションを広げるために,ハスカップの近縁種である赤い果実をつけ食味がよいミヤマウグイスカグラとの種間交雑を行い,種間雑種を育成しました。

種間雑種によって出来た果実は,両親の中間型を示しました。主要な果実成分であるアントシアニンの果実内の分布の様相を両親と比較しながら詳細に解析するために,イメージング質量分析法を適用しました。いずれの果実においても,アントシアニンは果実の皮に局在していることがわかりました。また,興味深いことに,形態的には中間型を示した種間雑種の果実において,いくつかのアントシアニン類は両親よりもその濃度が高いことがわかりました。形態的には両親の中間型を示す種間雑種において,両親よりも高い濃度の成分を含むことは興味深い事象として捉えられます。イメージング質量分析法は,果実のどこに何の成分が分布しているか(定性)と,その成分がどのくらいあるか(定量)を同時に解析できることから,農産物の評価に有効な手法であるといえます。

本成果は,農学,医学,保健科学等の専門分野と分析技術を生かした北海道大学内の共同研究によるものであり,また,今後ハスカップの種間交雑を利用した新たなベリー類の開発が期待されます。

なお,本研究成果は20201030日(金)発刊のPlant Science誌に掲載されました。

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左から,ハスカップ(和名クロミノウグイスカグラ)の果実,ミヤマウグイスカグラの果実,ハスカップとミヤマウグイスカグラの種間雑種の果実。