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溶けない化合物でも使えるクロスカップリング反応の開発~有機合成化学における「低溶解性による合成の限界」の解決に期待~(創成研究機構化学反応創成研究拠点 教授 伊藤 肇)

2021年3月31日

ポイント

●有機溶媒への溶解性が低く扱えなかった不溶性化合物の鈴木-宮浦クロスカップリング反応に成功。
●高温ボールミルを用いてカップリング反応を実施することで,高い反応効率を実現。
●従来の溶液有機合成では合成できない新しい有機発光材料,有機電子材料や医薬品の開発に期待。

概要

北海道大学創成研究機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD),同大学院工学研究院の伊藤 肇教授,久保田浩司准教授らの研究グループは、三菱ケミカル株式会社と共同で,有機溶媒への溶解性が極めて低い不溶性ハロゲン化物に対する鈴木-宮浦クロスカップリング反応を開発しました。

従来の有機合成反応は,有機溶媒を用いて溶液状態で行うことが一般的です。しかし,有機溶媒に溶けにくい反応基質(反応の元となる物質)の場合は,反応の実施そのものが困難となる場合が多くあります。この「低溶解性による合成の限界」は,現代の有機合成化学のボトルネックであり,合成することのできる有機化合物が大幅に制限されているといえます。

本研究では,高温ボールミルを用いた合成手法により,有機溶媒への溶解性が極めて低く今まで反応基質として扱えなかった不溶性芳香族ハロゲン化物に対する鈴木-宮浦クロスカップリング反応に成功しました。これにより,従来の溶液状態で行う有機合成では合成することのできなかった新しい化学製品,医薬品,有機発光材料,有機電子材料などの開発が期待されます。

本研究成果は,2021331日(水)公開のJournal of the American Chemical Society誌(米国化学会誌)に掲載されました。

なお,本研究は,科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST「レドックスメカノケミストリーによる固体有機合成化学(JPMJCR19R1)」,文部科学省科学研究費補助金「基盤研究A」(18H03907),「新学術領域研究(ソフトクリスタル)」(17H06370),「若手研究」(19K15547),「新学術領域研究(ハイブリッド触媒)」(20H04795),文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の支援のもとで行われたものです。

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不溶性芳香族ハロゲン化物に対する鈴木-宮浦クロスカップリング反応に成功。