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道路騒音による全国の健康リスクを推定~欧州WHOの知見に基づく死亡数は年間約2,000人~(工学研究院 助教 田鎖順太)

2021年3月26日

ポイント

●既存資料から,全国における道路騒音の曝露人口の現状を推定。
●欧州WHOによる最新の知見(環境騒音ガイドライン:2018)に基づいて健康影響を推定。
●約100万人に道路騒音による軽度の睡眠障害が生じ,心筋梗塞の死亡者は年間約2,000人に上る。

概要

北海道大学大学院工学研究院の田鎖順太助教らの研究グループは,道路騒音による睡眠障害?心筋梗塞に関して,過去の道路騒音予測資料及び最新の環境騒音ガイドラインに基づき,日本全国での有病数?死亡数を推定しました。その結果,有病数は軽度の睡眠障害が約100万人,心筋梗塞が約9,000人となり,約2,000人が毎年死亡しているという推定値が得られました。この死亡数は結核やインフルエンザの死亡数(それぞれ1,956人,2,262人(2015年))に相当します。

研究では,20年以上前に国が示した全国を対象とした道路騒音の予測資料を唯一の手掛かりとして,現時点での道路騒音曝露人口を推定し,騒音と健康影響との関係については,世界保健機関(WHO)欧州地域事務局が2018年に公布した「欧州環境騒音ガイドライン」を利用しました。「欧州環境騒音ガイドライン」に示されている知見は,世界各国で行われた多くの調査に基づいており,その成果は我が国にも適用できるとされています。

また,我が国の「騒音に係る環境基準」と等しい道路騒音曝露であっても,道路騒音による死亡率は自殺や腎不全に相当するという推定結果も得られ,公衆衛生上,早急な対策が望まれます。

なお,本研究成果は,2021225日(木)公開の日本衛生学雑誌電子版に掲載されました。

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道路騒音による心筋梗塞の年間死亡数推定値と他の原因による年間死亡数との比較