2021年5月14日
北海道大学
大阪成蹊大学
東京女子体育大学
四国学院大学
北陸学院大学
ポイント
●戦前期において北海道から九州に至るまで女子によるサッカーが実施されていたことを確認。
●現時点で日本最古と考えられる女子によるサッカーの写真を発見。
●戦前期における女子スポーツの多様性を考える契機として期待。
概要
北海道大学大学院教育学研究院の崎田嘉寛准教授,大阪成蹊大学教育学部の寳學淳郎教授,東京女子体育大学体育学部の藤坂由美子准教授,四国学院大学文学部の近藤 剛准教授,北陸学院大学人間総合学部の田邊圭子教授,公益財団法人日本サッカー協会の津内 香氏らの研究グループは,北海道から九州までの公立高等女学校286校の学校史422冊を調査し,戦前の日本における女子フットボールの実施状況を明らかにしました。その結果,調査校の約19%(53校)で,1902~40年にフットボール(遊戯化したものを含む)を実施していた記事や写真が確認されました。
また,調査では,現時点で日本最古と考えられる女子による「サッカー」の写真も発見されました。写真は,『第一高女85年の歩み』(津田露,1986)に掲載されており,大分高女時代の1916年にサッカーの試合が行われている様子が収められています。これまで最も古い女子サッカーの写真とされてきたのは,『四国新聞』(2011.12.2)に掲載された,丸亀高女の生徒がサッカーをする写真(1919,1920撮影)でした。大分高女の写真は,丸亀高女より3年早いことになります。
男子に好まれたフットボールは,大正期を中心として,女子中等教育機関でも全国的に熱心に取り組まれた競技の一つであったことが明らかになりました。本研究を契機として,日本における女子フットボール?女子スポーツに関する多様な研究が展開されていくことが期待されます。
なお,本研究成果は,『体育学研究』(第66巻)に掲載予定です(2021年3月11日,オンライン早期公開)。
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