2021年7月28日
ポイント
●厳しい反応条件下で世界最高の耐久性(1カ月間安定)を示す新規合金触媒の開発に成功。
●石油化学工業において重要なプロピレン製造における触媒再生コストを大幅に削減可能。
●合金中の白金原子の触媒性能を幾何学的?電子的に精密に制御した点が鍵。
概要
北海道大学大学院総合化学院博士後期課程の中谷勇希氏,シン?フェロン氏,触媒科学研究所のハン?ヒョンウォン博士,清水研一教授,古川森也准教授らの研究グループは,プロパン脱水素によるプロピレン製造において,高温条件下で世界最高の耐久性を大幅に更新する新規触媒の開発に成功しました。
研究グループは,白金とガリウムの合金ナノ粒子を鉛とカルシウムにより二重に修飾した触媒が,本反応において600℃の高温条件下でも極めて高い耐久性(1カ月間安定)を有することを見いだしました。プロパン脱水素では通常,高温による著しい触媒劣化により連続的に触媒を再生処理する必要がありますが,本研究結果の応用により触媒の再生処理にかかるコストを大幅に削減できる可能性があります。
なお本研究成果は, 2021年7月27日(火)にAngewandte Chemie International Edition誌にオンライン掲載されました。
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