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なぜ日本人は竹で釣竿をつくるのか?~その秘密は「材料」だけでなく「形」にもあった~(工学研究院 教授 佐藤太裕)

2022年2月15日

ポイント

●日本の伝統工芸品である竹竿が有する力学的合理性を解明。
●先人たちの天然素材に対する深い造詣と高度な技術力を紐解くことに成功。
●天然素材の利活用に関する伝統的?科学的知識体系が紡ぐ新しいものづくりに期待。

概要

北海道大学大学院工学院修士課程の西山 諒氏と同大学大学院工学研究院の佐藤太裕教授の研究グループは,日本の伝統工芸品として今なお愛される竹でつくられた釣竿,竹竿の力学的合理性を解明することに成功しました。

生物は長い歳月をかけ,自己の形質をその生育環境に適したものへ変えていきます。この進化の過程において,生物が獲得した特異な「形」には力学的に多くの意義が含まれています。なかでも竹は目を見張る構造的性質を多々有す植物であり,私たちの祖先もその軽くしなやかな性質を活かし構造材や日用品など幅広い利用を行ってきました。そして,その一つに本研究における研究対象となる竹竿があります。竹竿は竹が繁茂する日本における釣竿の原点とされ,その繋がりは非常に深いものであるといえます。近年,釣竿は複合材料の採用によって主にその材料面における目覚ましい発展を遂げました。しかし,その基本的設計概念は釣竿の長い歴史の中で変わることがありません。本研究では,竹竿の「テーパー(先細り)構造」と「中空構造」に焦点を当て,両者が織りなす力学的合理性を明らかとしました。また,本研究は近年注目を集めるバイオニックデザインへの新たな知見を提供するだけでなく,先人たちの天然素材に対する深い造詣と高い技術力を私たちに再認識させるものです。

なお,本研究成果は,2022年2月14日(月)公開のScientific Reports誌にオンライン掲載されました。

詳細はこちら

(a) (b) 100年を超える歴史をもち,日本の伝統工芸品にも指定される「紀州へら竿」
(c) かたく丈夫な性質をもち,竿の材料として使用されるスズタケの竹林
(画像提供:和歌山県橋本市)