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iPS細胞ストックを用いた移植のための新規免疫抑制法を提案~他家iPS細胞由来組織を用いた移植医療への貢献に期待~(遺伝子病制御研究所 教授 清野研一郎)

2022年3月1日

北海道大学
実験動物中央研究所

ポイント

●MHC型一致他家マウス皮膚移植時の拒絶反応の制御に成功。
●iPS細胞ストックを用いた移植時の免疫制御に有効な免疫抑制法を確立。
●移植医療で生じうる拒絶反応に対する免疫制御法の今後の進展に期待。

概要

北海道大学大学院医学院修士課程1年の鎌谷智紀氏,同大学遺伝子病制御研究所の清野研一郎教授,実験動物中央研究所,日本医療研究開発機構らの研究グループは,MHC型一致他家マウス皮膚移植モデルを用いて,日本で使用が計画されているiPS細胞ストックの使用に際して生じうる拒絶反応の制御方法を検討し,制御に有効な免疫抑制法を初めて提案しました。

日本におけるiPS細胞を用いた移植医療では,MHC型ホモドナー由来iPS細胞ストックを使用することが計画されています。しかし,MHC型以外にも,マイナー抗原の不一致が拒絶反応の原因となるため,iPS細胞ストックを利用した移植における免疫制御は重要な課題でした。研究グループの以前の報告より,iPS細胞ストックを利用した移植における拒絶反応の制御は,免疫抑制剤単剤では困難であることが示唆されていました。

研究グループは,臓器移植で一般的に使用されている免疫抑制剤併用法(①)と,T細胞の活性化に必要な共刺激分子によるシグナルを阻害する方法(②)を用いて,それぞれ拒絶反応の制御を試みました。その結果,①では,拒絶反応の制御が可能であるドナーレシピエントの組み合わせがある一方で,その制御が困難である組み合わせも存在することが明らかになりました。翻って②では,①で拒絶反応の制御が困難であったドナーレシピエントの組み合わせであっても,制御が可能であることが判明しました。加えて,今回明らかになった②の免疫制御法は,免疫系ヒト化マウスを用いたiPS細胞ストック由来肝芽の移植実験によって,iPS細胞ストックを用いた移植医療で生じうる拒絶反応に対しても有効である可能性が示唆されました。

なお,本研究成果は,202222日(水)公開のInflammation and Regeneration誌にオンライン掲載されました。

論文名:Evaluation of immunosuppression protocols for MHC-matched allogeneic iPS cell-based transplantation using a mouse skin transplantation model(マウス皮膚移植モデルを用いたMHC型一致他家iPS細胞移植における免疫抑制プロトコールの構築)
URL:https://inflammregen.biomedcentral.com/articles/10.1186/s41232-021-00190-7

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iPS細胞ストックを用いた移植のための新規免疫抑制法