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複雑な構造を有する高分子材料をワンステップで合成~ポリエステル系ブロックポリマーの用途拡大に期待~(工学研究院 教授 佐藤敏文、准教授 磯野拓也)

2022年10月3日

ポイント

●複数の原料を反応容器に加えるだけで、精密に構造制御された高分子を合成することに成功。
●原料の種類や割合を変更するだけで生成物の構造や材料特性を調節可能。
●合成される高分子は、生分解可能な熱可塑性エラストマーや粘着剤としての応用に期待。

概要

北海道大学大学院工学研究院の佐藤敏文教授と磯野拓也准教授及び重慶理工大学の夏 小超講師らの共同研究グループは、複数の原料と触媒を反応容器で加熱するだけで、繰り返し構造?三次元構造?配列が巧みに制御されたブロック共重合体を簡便に合成することに成功しました。

複数の繰り返しユニットから構成されるブロック共重合体は、その繰り返し構造や各ユニットの性質に応じて優れた機能を発現することが知られており、機能性材料として利用されています。しかし、このように構造?配列が精密に制御されたブロック共重合体は通常、多段階に及ぶプロセスによって合成されるため、より簡便かつ精密な合成手法の開発が求められています。

研究グループは、カルボン酸塩を触媒として、複数の原料と共に反応させるだけで、複数のセグメントを有するブロック共重合体を合成することに成功しました。また反応物の種類や仕込み割合を変更することにより、得られる生成物の配列やセグメント比、トポロジー(三次元構造)までも制御できることを見出しています。以上のようにして合成されたブロック共重合体は生分解性高分子としても利用されているポリエステルで構成されており、今後、生分解性を有する工業材料や機能性材料としての応用が期待されます。

なお、本研究成果は、2022923() 公開の Journal of the American Chemical Society 誌に掲載されました。

論文名:Multidimensional Control of Repeating Unit/Sequence/Topology for One-Step Synthesis of Block Polymers from Monomer Mixtures(ブロック共重合体のワンステップ合成における繰り返し構造/配列/トポロジーの多次元制御)
URL:https://doi.org/10.1021/jacs.2c06860

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本研究の概要図:原料の種類や割合を変更することで、多様なブロック共重合体の簡便合成に成功