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効率的なmRNA送達を可能とする分岐脂質の創製~mRNA創薬への貢献に期待~(薬学研究院 助教 佐藤悠介)

2022年11月11日

北海道大学
日東電工株式会社

ポイント

●mRNAの医薬品応用に欠かせない脂質ナノ粒子を構成する新規の分岐型脂質を共同開発。
●分岐脂質は効率的なmRNA送達を可能とし、単回投与でのタンパク質発現やゲノム編集を達成。
●脂質の分岐構造が脂質ナノ粒子の性能と安定性を高めるメカニズムを解明。

概要

北海道大学大学院薬学研究院の佐藤悠介助教、原島秀吉教授、日東電工株式会社核酸医薬開発本部の橋場一毅研究員らの研究グループは、効率的なmRNA送達を可能とする分岐脂質の創製に成功しました。

mRNA医薬品は理論上どの分子でも創薬標的とすることが可能であり、感染症/がんワクチン?遺伝性疾患治療?再生医療への応用が期待されています。mRNA医薬品は従来の医薬品に比べて簡単に設計可能であることも魅力的であり、この特徴はCOVID-19に対するワクチンの迅速な開発に貢献しました。

mRNAは有望なモダリティですが、生体内で分解されやすいため、医薬品応用のためにはドラッグデリバリーシステム(Drug delivery system: DDSが必須です。mRNADDSとして最も進んでいる技術は脂質ナノ粒子であり、上述のCOVID-19ワクチンにも採用されています。

効率的なmRNA送達を実現するために、研究グループは新規の分岐脂質を開発しました。本脂質から作製される脂質ナノ粒子は効率的なmRNA送達と高い保存安定性を示しました。それにより、単回投与での効率的なタンパク質発現やゲノム編集を達成しました。また、本脂質の特徴である分岐構造が脂質ナノ粒子の性能と保存安定性を高めるメカニズムを解明しました。今回開発された分岐脂質から構成される脂質ナノ粒子のmRNA医薬品への利用が期待されます。

なお、本研究成果は、20221110日(木)公開のSmall Science誌に掲載されました。

論文名:Branching ionizable lipids can enhance the stability, fusogenicity, and functional delivery of mRNA(イオン性脂質の分岐足場は脂質ナノ粒子の安定性とin vivo mRNA送達効率を高める)
URL:https://doi.org/10.1002/smsc.202200071

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本研究の概要図