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他者につられない訓練で他者の表情認識力がUP!~コミュニケーションに関わる脳情報処理の解明に期待~(教育学研究院 准教授 阿部匡樹)

2022年12月15日

ポイント

●他者の動作につられない模倣抑制訓練が、表情認識能力に及ぼす影響を実験的に調査。
●模倣抑制訓練により、顔面に制約が課されても他者の表情認識力が低下しなくなることを発見。
●自己―他者の区別を明確にすることが、他者理解能力において重要であることを示唆。

概要

北海道大学大学院教育学院博士後期課程1年の松田直祥氏と同大学院教育学研究院の阿部匡樹准教授は、自己と他者の状況を区別する模倣抑制訓練によって、自身の状況に依らない安定した表情認識能力が得られることを発見しました。

ヒトは、他者の行為や表情を観察した際、自身の脳内でそれらをシミュレーションすることで、その意図や感情を理解するといわれています。この仕組みは他者理解の重要なメカニズムの一つとして注目されてきました。一方、最近では、自己と他者の状況を明確に区別することが他者理解やコミュニケーションでは重要だ、という一見逆説的な主張もなされています。この自己―他者区別の能力は、他者の動きにつられない模倣抑制訓練によって向上することが示唆されていますが、模倣抑制訓練が表情認識能力に及ぼす影響は明らかにされていませんでした。

そこで本研究では、他者の指の映像とは異なる指(映像が人差指なら中指、中指なら人差指)を挙上する模倣抑制群、数字に応じて(1:人差指、2:中指)指を挙上する統制群という2つの訓練群を設定し、箸を口に咥える制約を課した上で、それぞれの訓練後に顔写真の感情を判定する表情認識課題を行いました。

統制群では、この制約によって表情認識の反応が遅くなることが示されましたが、他者の映像につられない訓練を行った模倣抑制群は、制約がない場合と変わらない反応時間で表情を認識することができました。この結果は、模倣抑制訓練を行うことで、自身の表情によるシミュレーションに頼らず他者の表情が認識できるようになったことを示唆し、自己の状況に依らずに他者の状況を把握することが、他者理解やコミュニケーションでは重要であることを実験的に示したものといえます。

なお、本研究成果は20221215日(水)午前0時公開の「認知科学」誌に掲載されました。

論文名:Imitation inhibition and facial expression recognition: Imitation-inhibition training inhibits the impact of interference with facial mimicry(模倣抑制と表情認識:模倣抑制訓練は表情模倣による干渉効果を抑制する)
URL:https://doi.org/10.11225/cs.2022.048

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本研究の概念図